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HID・HIDシステムとは

HID(ヘッドライト)の特徴

HID(ヘッドライト)の分類

 ハロゲン電球に比べて光束量が多い(明るい)、1Wあたりの光束量が多い(高効率)、色温度が高い、長寿命です。

種類は、イグナイタの有無、水銀フリー、ヘッドランプのタイプ(リフレクター/プロジェクター)、の3つのカテゴリーの組み合わせで8つのタイプがあります。

 日本では、D2、D4というイグナイタの無いタイプが一般的です。輸入車では、D1、D3というイグナイタをHIDランプに内蔵したタイプが使用されています。D3、D4は、環境保護目的で開発された水銀フリーで、急速に普及してきています。

 また、リフレクタータイプ(D1R,D2R,D3R,D4R)とプロジェクタータイプ(D1S,D2S,D3S,D4S)があります。タイプを間違えて装着しますと、不点灯、配光不良等の原因になりますので、注意が必要です。

※配光不良は法規違反となります。

 さらに、バッテリー電圧(12V系/24V系)によっても違います。

HID(ヘッドライト)の種類

HID
ランプ
メタルハライドランプ
セラミック製
石英ガラス製
(発光管材料による)
高圧ナトリウムランプ  
高圧水銀ランプ  

※自動車用としては、現在メタルハライドランプを指します。

 メタルハライドランプ (metal halide lamp) とは、水銀とハロゲン化金属混合蒸気中のアーク放電による発光を利用したもの。 (混合蒸気がメタルハライドで、ヨウ化ナトリウムやヨウ化スカンジウム等を使用)

 封入するハロゲン化合物の種類・比率により色温度を調整することが可能で、他のHIDランプよりも演色性に優れているのが特徴です。また、高輝度、省電力、長寿命も特徴です。

 

HID(ヘッドライト)発光の原理

 従来の電球のように、バッテリー電圧(12V、24V)に接続しても点灯せず、点灯回路(イグナイタとバラスト)が必要になります。イグナイタ(始動回路)から印加された高電圧により、電極間でキセノンガスが電離してアーク放電が発生します。そして、バラスト(安定器)により電流を制御しながらアーク放電を維持します。

HID(ヘッドライト)の構造

  基本的な構造は水銀灯と同じで、 金属元素の電子遷移による発光を利用し、水銀灯の演色性を改良したものです。ハロゲンのようなフィラメントの発光を利用するランプとは異なり、蛍光灯と同じように電極間での放電の発光を利用します。

HIDの概略構造図

発光管

石英ガラスを使用。大気圧の数倍のキセノンガスとメタルハライドが封入されています。

※放電に必要な電圧を補うために水銀を封入することもありますが、地球環境保護の観点から水銀を使用しない(水銀フリー)タイプが開発されています。

電極 高電圧をかけて放電させます。
外管 石英ガラスを使用しています。ブラックストライプ(遮蔽膜)をコーティングする為に必要です。発光管から出る紫外線カットの目的もあります。

自動車照明について

公称電圧、公称電力について

 自動車用の電球は、目的により決められます。それを交換する場合は、公称電圧、公称電力、及び口金形状の確認が必要です。

 また、自動車用の電球は同じ用途のランプでも、メーカー・車種・年式などでも異なることが多く、充分な確認が必要です。

 一般的に以下の公称値の組合せで呼ばれます。

V:公称電圧
(ボルト)
一般にバッテリーの大きさにより区別
6V 旧式の4輪車、2輪車
12V 一般乗用車、小型トラック、オートバイ
24V 大型トラック・バス
48V フォークリフト、電気自動車(一部)
W:公称電力
(ワット)
灯具に指定された公称電力での使用が基本です。公称電力よりも大きい電球だと、発熱が高くなり、レンズや部品が溶けたり、破損したりします。また小さい場合は、明るさが足りなくなったりします。
A,mA:公称電流
(アンペア、ミリアンペア)
 
Cp:公称光度
(キャンデラパワー)

公称電圧とその時の電流値(公称電流)との積で表し、Cpは光の強さを表します。米国で採用されている表示方法で、電球の明るさ(光束値)を球面立法角(4π=12.6)で割った値です。

公称電力表示の電球との代替も可能です。以下の表が目安となります。

 

 CPとは、キャンデラパワーの頭文字で、光の強さを表す表示として米国で採用されている表示方法です。従いまして、通常の電力(W)表示されている電球と特性(性能)は異なります。同等レベルの特性(性能)を目安に、消費電力(W)の電球による代用は可能です。参考までに12V電球・CP表示電球の代用品(W表示の相当品)を掲載します。
Cp表示球 32/3 32/3 43 32 32 21 15 4
W表示球 23/8 27/8 27 27 23 15 12 8

照明の用語

 

 照明の用語解説図

名称 単位 説明
光束 lm
(ルーメン)
ランプから放出される光の量。

光度

cd
(カンデラ)
光源の光の強さをあらわす量。
照度 lx
(ルクス)
光を受ける面の単位面積が受ける光束。照明基準としてJISが制定されている。
輝度 cd/u ある方向から見た物の輝きの強さ。

 

ハロゲンライトからの交換

 HID(ヘッドライト)は、従来のハロゲン式ライトに比べて、格段に明るいだけでなく、消費電力が少なく、寿命が長いので、交換される方が急増しています。最近ではハロゲン式をHID式に変更できる社外のHIDキットが数多く販売されています。

 HIDキットの選び方として重要なのは、現在装着されているハロゲンバルブとタイプ(H4やH1などの型式)を合せて選ぶ事です。これはバルブの形状の違いによるものですが、これが合っていないと装着はできませんので注意して下さい。

 また、たとえバルブのタイプが同じであっても、ハロゲンバルブとHIDバルブではバルブ部の長さや太さ、さらにはバルブ後部の突き出し部分の長さなども異なる事があるので、場合によっては削る・切るなどの加工が必要になる事もあります。取り付け寸法についても、販売店やメーカーに確認する事をお勧めします。

 

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